恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第32章 狐に嫁入り? ① / 🔥
「父に一目惚れしたそうでな。それから10年経った後(のち)に再会するまで、恋仲になった相手が何人がいたそうなんだが…」
「へぇ…一目惚れ!!」
自分の目が輝くのがわかった。だって自然と体が前のめりになったから。
「いまいちしっくり来なかったそうで長続きしなかったと。そう言っていた。因みに父も母には一目惚れだったそうだ」
「えー……そんな事ってあるんだ」
いいなあ。何だか憧れちゃう。一目惚れなんて漫画や小説、ドラマの中だけの出来事って感じだもんなあ。
「お父さんとお母さんはきっと美男美女なんだね。だって杏寿郎さんがこんなにカッコいいんだから」
「……そ、そうか?」
少しだけ間を開けて、そう答えてくれた杏寿郎さんは顔だけじゃなく、頭の上にある両耳も少し赤くなった。
ふふ、何だかかわいいな。私は少し微笑ましくなる。
「所で、君は俺の事をどう思った?」
「え?私?」
急にそんな話題を振られたから、びっくりしてしまった。
「う、うーん…そうだね」
お父さん以外の大人の男の人なんて、学校の先生ぐらいだからなあ。
先生達……全然そんな風に思った事ないからあんまりわからない。
これが正直な胸の内なんだけど。
だけど……