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恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)

第30章 今日書くの、やめても良いですか? / 🎴


恋は急に心に入り込んで来たかと思えば、また急に心から滑り落ちて行く。

いつだってそうだ。

「先生と同じように結婚を考えても良いかな…と思える相手でした。辛いですね、お気持ちが今よくわかります」

力なく笑う竈門くんはいつも見せてくれる陽だまりのような笑顔とは全く違う。

「そっか……大変だったね」
「…………」
「…………」

そこからしばらく無言になった私と彼は、もう一杯だけココアを飲んで別れた。

帰宅して竈門くんがくれた苺大福を食べると、甘さと切なさが入り混じった味がして、私は少し泣いてしまった。





それから1週間後。竈門くんは再び私の家にやって来た。

「先生、書けたって本当ですか??」
彼が私が淹れたコーヒーを一口飲むと、信じられない…と言う表情を見せながら聞いて来る。

「うん、こんな状態でラブラブな話なんて書けないと思ってたんだけどね。思い出したんだ」

年下の編集者は私がそう伝えると、真剣に耳を傾けてくれた。

「恋を無くして落ち込んでは、もう自分の人生はお終いだ。いつもいつもそう思っててね。でもそんな時でも私は何かしら文字を綴ってて……」


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