恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第30章 今日書くの、やめても良いですか? / 🎴
「ヘーゼルナッツはそんなに甘くはありません。どちらかと言うと男性好みかもしれません。ストロベリーのターゲットは間違いなく女性でしょうね」
「確かに。竈門くん、ここでも編集魂発揮だね?」
あ……と今気づいた、と言わんばかりに顔を少しずつ赤くする彼。
ふふ、何かかわいいな。
竈門くんはいつもそうだ。私が毎回書けなくなっても「書きましょう」とは絶対に言わない。
優しい人だなあと本当に思う。
「私もヘーゼルナッツココア飲んでみる」
甘いストロベリーココアを飲み終わった私は、ドリップマシーンの場所に行く。
マグカップを注ぎ口にセットした後はヘーゼルナッツココアのタッチパネルをタップした。
先程飲んだストロベリーココアとは違い、ナッツの香りが広がるココアが注がれる。
うん、こっちも美味しそう!
マグカップを持って、自分の席に戻ると彼が難しい顔をしながらスマホと睨めっこをしていた。
なんとなく直感でわかる。彼女からの連絡だろうと。
この表情は………上手くいってないのだろうか。ひとまずは様子を見てみる。
「大丈夫?ここ、シワが寄ってるよ」
私はおでこを右手人差し指でトントンと示した後、彼の目の前の席に座った。