恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第29章 夕暮れネイルに色香のeyes / 🔥✳︎✳︎
「なるほど、では仕方ないな」
「……はい。と言う事で私もネイル変えます」
「む…そうなのか?」
その後、パンケーキを作った私は彼と一緒にブランチを食べ終えた。
「やっといつもの自分になれた気がします」
寝巻きから普段着に着替え、ネイルを茜色から橙色に塗り直した私はふう…と安堵の息をついた。
それと同時に彼の指先の茜色もオフ。とても名残惜しかったけど、これ以上は私の心臓が本当に危ない。キュンで息が止まってしまう。
除光液の蓋を回して閉めると、使ったコットンをゴミ箱へ。
トートバッグに除光液を入れると彼にオッケーのサインを送る。
「では出かけるとするか!」
「はい」
朝晩の気温がグッと下がり、昼間も寒くなって来た。正に冬本番だ。私がグレーのダウンジャケットを羽織ると、杏寿郎さんが小紫色のマフラーを巻いてくれた。
恋人はカーキのワークコートを羽織る。こう言う落ち着いた色、本当によく似合うんだよね。
私は彼の首元に自分と同じ小紫色のマフラーを巻いた。
その姿を見ると、ふふっと笑顔がこぼれる。
「どうした?」
「やっぱりお揃いって嬉しいなあと思って。ありがとうございます」
「ああ」