恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第27章 炎柱から次期鳴柱への就任祝い / 🔥
— 墓地にて
吉沢さんのお墓を掃除した後、墓前に買って来た花を備える。白・黄色・紫の3色でまとめたスターチスだ。
「どうしてこの花にしたの?」
「花言葉が”途切れぬ記憶”なんだよ」
「そっか、ぴったりの花だね」
「忘れたらすっげー怒りそうじゃん?」
「確かに……」
善逸は3色のスターチスを改めて見た後、目を瞑って手を合わせた。
俺も隣で手を合わす。
吉沢さん……無事に鳴柱になりました。毎日毎日こなす事が多くて、大変ですけど…仲間や尊敬する柱の皆さんに支えられて任務にあたっています。
それから……
「吉沢さん、向こうでも笑ってんのかなあ?」
「多分な。いっつも笑顔だったもんなあ」
——— 俺は隣にいる後輩隊士の善逸に嫉妬しています。
………物凄く。
ある日の事だ。まだ柱になる前、善逸と2人で共同任務に当たった時。怖さで気絶した善逸めがけて、一つ目の鬼が物凄い勢いで突進していく。
善逸————!!
「雷の呼吸 壱ノ……」
俺が霹靂一閃の構えを取ったその瞬間。黄色い頭がゆらり、と立ち上がる。バチバチと音を立てる青い稲光を身にまとい、前傾の姿勢になったかと思うと、呼吸を始めた。