恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第27章 炎柱から次期鳴柱への就任祝い / 🔥
「ねえ、そんなに笑わなくても良いじゃん……」
劇場から出て来た俺達。俺は笑いすぎて腹筋が痙攣中。そして涙も止まらない。
「いや、だって開始5分もしない内にあれはなかなかないぞ?笑うなって方が無理だわ…」
音柱がくれた活動写真の券。
それはとある怪談話が映像化した作品だった。
善逸は上映が開始されると、早速劇場中に響き渡る汚い高音で泣き叫ぶ。
そしてあっと言う間に係員が飛んで来たかと思うと、首根っこを掴まれ、そのまま劇場の外にぽいっとつまみ出されてしまった。
「お前、本当ビビりすぎ!」
「仕方ねーじゃん!怖いものは怖いんだよ…」
七瀬にも言えるが、よくこれで鬼殺ができるよなあ。
『別物だよ』常時そう言っている彼女。
鬼殺の方が遥かに怖いと思うんだが……このあたりは俺には少しわからない。
「よし!じゃあ約束の鰻行くか」
この言葉を聞いた善逸の顔がみるみる内に輝く。
現金なやつだ。本当に。
「もちろん、鳴柱様の奢りだよね?」
「こんな時だけ、柱扱いすんじゃねーよ」
食い終わったら頼むな……と善逸に声をかけると、うんと真面目な顔をして頷く弟分。