恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第27章 炎柱から次期鳴柱への就任祝い / 🔥
〜杏寿郎エンド〜
「私も師範みたいになりたいです!」
俺の隣に座っている継子、沢渡七瀬がそう言った。
「懐かしいな」
「懐かしい...ですか?」
「ああ」
それから自分の最終選別の時の事や、鬼殺隊に入ってまもない時の事を彼女に話していく。
………と同時に過去、同じ事を言ってくれた桐谷巧の事も思い出していた。
桐谷くんは鳴柱に就任する直前、12鬼月に殺されてしまい、帰らぬ人になってしまった。
俺は彼を看取った際、言伝を頼まれ、それをある人物に伝えに言った。
その人物とは。今俺の話を隣で聞いている桐谷くんの恋人だった沢渡だ。
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「炎柱」
「ああ、どうした」
「やっぱり俺は炎柱のような柱になりたいです。それと…」
「何だ?」
「見つけました。自分にしか出来ない事」
「そうか、聞かせてくれるか?」
はい、と頷いた彼はこう続けた。
「俺は鬼の存在を全く知らない方達が、当たり前に”また明日”と言える日々を守れる柱になりたいです」
「うむ、そうだな!それは俺達が最も守らなければならない事だ」
「桐谷くん……いや、鳴柱」
「あ、はい……何でしょうか」
彼の背筋がピン!と伸びる。