恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第27章 炎柱から次期鳴柱への就任祝い / 🔥
それから2週間後……
「うまい!!!」
蕎麦屋に響き渡る快活な声。俺は炎柱と再び蕎麦屋に来ている。
「炎柱は本当にいつも美味しそうに食事されますよね。見てるこちらまで元気になるぐらいに」
うまい!!!と更にもう一声。
食堂中を震わす声量を出した後、そうか?…とお茶をゴクンと飲んで俺に応えてくれた。
「まあ腹が減っては戦は出来ぬと言うからな!」
しかし…と彼はこちらを見て不思議そうな表情を見せる。
「良かったのか?ここの蕎麦で」
「はい!ここの蕎麦が良いんです」
………先日炎柱から言われた、就任祝いは何が良い?と聞かれた答え。
ずるる……と暖かい蕎麦を啜った俺は、蕎麦の上にのっているかき揚げをカリっと一口齧る。
“炎柱と蕎麦を食べに行きたいです”
彼への手紙にそう記した。
しばらくすると、俺と炎柱の前に1つずつお椀が置かれる。今しがた食べた大きなかき揚げが一つ乗っている蕎麦だった。
「え…大将これって」
「うちの蕎麦が良いって言ってくれた礼だよ。食いな。にいちゃん達よく来てくれるだろ。奢りだ」
「…ありがとうございます!炎柱、頂きましょう」
「そうだな。ありがとう親父さん、頂きます」
おう、と大将はまた厨房に戻る。俺達はありがたく蕎麦を食べた。