恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第27章 炎柱から次期鳴柱への就任祝い / 🔥
「あ、今思ったんですけど」
「どうされました?」
「風柱邸専用の方ならどうしてこちらにいらっしゃったんですか?ここは風柱が受け持った任務ではないでしょう?」
はい、と頷いた彼は続けてこう言ってくれた。
「おっしゃる通り、風柱様が担当される任務なら自分も同行と言う事は往々にしてあります。しかし今日になってここに派遣される予定だった隠が急に別の件を言い渡されましてね。自分に声がかかったんです」
「そんな事もあるんですね……」
「はい」
「桐谷さんにお会いする為に今日派遣されたのかもしれません。風柱様の所に勤めるようになるまで、心に傷を負われた隊士の方達のお話を聞く…と言いますか。そう言う事を長くやっていた時期があったんです」
「あ、だから炎柱が診てもらえって…」
「ええ」
………………。
「きっと見つかりますよ。自分にしか出来ない…自分だから出来る事」
ありがとうございます......と出した声は涙にかき消されて、まともに発する事が出来なかった。
炎柱......やっぱり俺はあなたのような柱になりたいです......。
『お前、どんな柱になりたい?』
吉沢さんを背負った長友さんを見送った後、俺の頭の中に彼から昨日質問された言葉が頭から離れなかった。
———-仲間達が待つ、自宅に帰っても…