恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第27章 炎柱から次期鳴柱への就任祝い / 🔥
大きな目を更に見開いて、こちらを見たかと思えば。
「それは光栄な言葉だ。ありがとう。しかし、君は君だ。自分にしか出来ない事を見つけて、それを目指すと言うのも良いと思うぞ」
「自分にしか出来ない、ですか…」
「ああ」
………自分にしかできない。考えた事もなかったな…。
「ありがとうございます。ちょっと考えてみます」
「炎柱様!そちらの方は大丈夫ですか?」
俺達の後ろから隠の1人が駆けつけて来る。
「今しがた、息を引き取った所だ。それからすまないが彼も診てやってくれ」
ポン、と俺の肩に手を置く炎柱。
「俺はどこも怪我はしていませんよ?」
フッと笑った彼はここだ、と俺の心臓をトントンと指した。
…………そうか、心の怪我……
「君達は兄弟同然に仲が良かったのだろう?」
はい、と頷いた俺はまた涙が目に滲む。
「炎柱様、申し訳ありません。あちらもご確認お願い致します」
俺達の後ろから別の隠が声をかけた。
「ああ、今行こう」
彼はスッと立ち上がると、隠と2人行ってしまった。
「………」
「………」
「鬼殺隊に所属していると、本当に別れって急に来ますよね。心が追いつけないぐらいに」
「はい……」