恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第27章 炎柱から次期鳴柱への就任祝い / 🔥
………………彼の両目をそっと閉じる。
自分の両方の目からポタ、ポタ、と涙が落ちた。
「吉沢さん……吉沢さん…」
そのまましばらく俺は彼の側から離れられなかった。
それから10分程経った。
「桐谷くん」
後ろから大きな手が肩にポン、と優しく置かれた。
振り返るとそこには…………
「炎柱……」
怪我はないようだな、と言いながら日輪の瞳が俺を真っ直ぐ見てくれていた。
「……何度経験してもダメです…だってさっきまで生きてたんですよ…」
「そうだな…」
「………」
「俺の父が以前言っていた。”つい先日笑いあった仲間が死ぬのはよくある話”だ、と」
炎柱の父か。確か……
「先代の炎柱ですよね」
「……ああ」
「昨日吉沢さんに聞かれたんです。どんな柱になりたいか、と」
「ふむ。してどう答えたんだ?」
俺は涙を一度拭って、炎柱の顔を見る。
「炎柱……俺はあなたのような柱になりたいです」
「俺のようにか?」
「はい」