恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第27章 炎柱から次期鳴柱への就任祝い / 🔥
「俺はな、桐谷…ずっとお前に…はあ…嫉妬してた…」
「嫉妬ってどう言う事ですか……」
どうしてだ?優しくていつも笑ってて、どす黒い感情とは結びつきにくい彼が……
「俺が後方支援ばかりしてた時…お前は次々と鬼を討伐して……50匹目を倒した、と聞いた瞬間な……悔しかったんだよ…」
「そんな!一緒に喜んでくれたじゃないですか……」
「当たり前だろ……面と向かってそんな事……言えるか…よ…」
ゴホッと口から吐血する彼。
「吉沢さん…もう……喋らないで下さい…」
彼の右手を両手で握る。するとゆっくりではあるけど、握り返してくれた。
「一応..はあ…お前の先輩だぞ?……俺にも…意地ってもんが…ある。このまま…はあ…墓場まで持って行こうと…したら、お前が来た…ああ、話せって……事なんだと直感で…感じた」
ふう、と長い息をはいた彼は言葉を続ける。
「鳴柱…」
「はい……」
「ごめんな、お前が就任する所……見られ…そうに…ない…わ」
「………」
「ああ…でもそれで良いの……かもな……」
「…………」
「お前が就任するのを直に見たら……俺は……多分……」
「吉沢さん……?」
握っていた右手から途端に力が抜けた。