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恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)

第23章 秋 in 恋愛 / 🌊


逃げる善逸、追いかける義勇。
逃げる?義勇、追いかける実弥。


「ぎゃーー!ちょっとマジで勘弁してぇぇぇ」

善逸の汚い高音が校庭に鳴り響く。
3人のいたちごっこのような追いかけ合いは1時間目の本鈴が鳴るまで続いた。








キーンコーンカーンコーン………。


更に3ヶ月が経ち、9月。
義勇はいつもの階段の踊り場に腰を下ろすと、ポリ袋の中身を覗く。


今日はぶどうパンが売り切れだったので、竈門ベーカリーでいつも買うパンを複数個と、メロンパンを1つ買った。

『ケンカしちゃいました』

七瀬がそう呟きながら、このパンを食べていたな…と思い出した義勇はメロンパンから食べ始める。


一口かじると、ビスケット生地から優しい甘さが口腔内に広がった。

『マリッジブルーなんでしょうか?』
不安だ、とその後続けて言った彼女に『向き合ってみたらどうだ?』と返答した自分。


あの時。
もし彼女に自分の気持ちを正直に伝えていたら、結末は変わっていたのだろうか。

『いや…気持ちを伝えていても、きっと俺は今と同じ思いを抱いていただろうな』


義勇はメロンパンを食べ終わると、フッと笑う。

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