恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第23章 秋 in 恋愛 / 🌊
「無事に仲直り出来ました。先生の言う通り、思ってても言えなかったんだそうです」
3日後の週明け。彼女はそう報告してくれた。
「……そうか、良かったな」
仲直りしたのか……。俺は心に少しだけちくっとする痛みのような物を感じる。
………どうやら彼女の事が好きみたいだ。
好きになった彼女にはもう心に決めた相手がいると言うのに。何をしているんだろうな…
「冨岡先生のお陰です!本当にありがとうございました」
俺に礼を言った彼女は頭を下げると、デスクから教室に向かっていった。
…………彼女がこの学園にいるのは後1ヶ月。俺は自分の中に芽生えた思いに戸惑っていた—
とうとうこの日がやって来た。
「半年間と言う短い間でしたが、皆さん本当にお世話になりました!ありがとうございました……」
「沢渡先生、お疲れさま。これは全職員からの労いとお祝いだよ」
産屋敷理事長が両手で持てないぐらいの大きな花束を私に渡してくれる。
サプライズに感動した私はぼろぼろと涙を流し、慌ててスカートに入れていたハンカチで涙を逐一拭う。
「七瀬……幸せになれよォ。俺は当日もお前の晴れ姿見に行くけどなァ」
「実弥くん……うん…うん…幸せになるよ。ありがとう…」