恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第22章 令和の師範と継子 ③ / 🔥
「よし!これで後は冷えるのを待つだけですね!」
冷蔵庫に先程のプリンケーキを閉まった彼女を俺は後ろからそっと抱きしめ、七瀬の左手を同じように後ろから自分の左手で絡めた。
「今日のネイルはどう言う意味なんだ?」
少し屈んで恋人の右耳に一回口付けながら、彼女に問いかける。
七瀬は俺と会う時は必ずと言って良い程、こうしてネイルを塗ってくる。前世で彼女の爪紅を褒めた事が、とても嬉しかったと言う理由からだそうだ。
「杏寿郎さんと私の鞘の色です……群青色に白を乗せました。フレンチネイルって言うんです」
「ほう」
絡めた左手を自分に近づけて、じっくりと見てみる。
やや紫みを帯びた深い青色の上には、三日月形に塗られた白い曲線。なかなか大人っぽい色だ。
「少し背伸びしすぎたかもしれません」
そうか?俺はそうは思わないが。
群青と白が塗られている左手に愛おしい気持ちを込めてキスを1つ落とす。
「よく似合っている」
俺は彼女を自分の方に向けて、右手にも同様にキスを落とした。
「ありがとうございます…」
顔を赤くしながらもお礼を言う七瀬がまたかわいい。