恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第22章 令和の師範と継子 ③ / 🔥
しかし、その後は俺から目を逸らそうとする。
「ダメだ、俺を見てくれ」
彼女の顎を掴み、その唇に自分の唇をそっと当てた。そのまま口付ける音を何回か響かせながら、キスを深くしていく。
彼女の腕が俺の首にそっと回った。これは前世と同じ彼女からの合図。
「先に進んで大丈夫」
—— そう言う意味だ。
ちゅっ…と吸い上げた後、既に蕩けた表情になっている彼女を横抱きにして、キッチンから離れる。
寝室に入り、七瀬をいつものようにゆっくりとベッドに寝かせた。まだ日が明るいので、遮光カーテンを閉めて部屋を暗くする。
そしてベッドに備えつけられた電気を点けた。
「七瀬」
「はい」
彼女の前髪をかき分けておでこを出した俺はそこに一つキスを落とす。
そのまま両方の瞼、鼻、両頬……とキスの雨を降らせた後は唇に口付けを一つ贈った。
「俺の恋人になってくれてありがとう」
「いえ……それは私も同じです。杏寿郎さんと今世でも出会えて…恋人になれて」
「私、本当に幸せです」
「俺もだ……」
それからは深い深い愛のやりとりの時間。お互いが生まれたままの姿になり、ひたすらに愛しあう。