恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第21章 令和の師範と継子 ② / 🔥
「炎の呼吸・伍ノ型……!」
杏寿郎さんが、木刀を中段に構える。
…………来た……!!
前世の私は炎虎に対して生生流転を放ったけれど、彼の強力な虎に弾き飛ばされて右足首を捻挫した。だから今世はやり方を変えてみようと思う。
スウ……と呼吸を整え、私も木刀を中段に構えれば、彼が「そう来るか」と言う表情を見せた。
「炎の呼吸 —— 伍ノ型・改!」
お互いの木刀が赤く染まっていく———
「—— 炎虎!!」
「—— 炎虎・番(つがい)!!」
放たれたのは紅蓮の虎。杏寿郎さんが放った巨大な虎が私めがけてやってくるけど、私が放ったのも同じ紅蓮の虎。
やがて虎は双頭の姿になり、大きな口を開けている単体の赤い虎に左右から襲いかかる。
炎虎その物の威力は正直に言ってしまうと、単体で放つ方が上。
だけど、双頭の炎虎は2つの方向から対象物に向かって放てる事が出来る。
『お願い、少しでも威力を弱めて……!』
そう願いながら、次の一手に備える為に呼吸を整える。
すると———
「炎の呼吸・参ノ型」
え…………
頭上を見上げて見れば、いつの間に私との間合いを詰めたのか。
「気炎万象!」
真っ直ぐ鋭く振り下ろされた杏寿郎さんの木刀が迫って来ていた。