恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第21章 令和の師範と継子 ② / 🔥
フッと笑った彼は自分の闘気を少しずつ練り上げていき、足元からジワっと熱風が体に上がって来ると同時に、金色の髪をふわっとはためかせる。
そして……
杏寿郎さん……師範の周りには陽炎がゆらり、ゆらりと揺らぎ始めた。ふふ、一緒だ。あの時と。
私もすうっと息を吸って前にいる師範を見据えた。
目をつぶって、自分の中にある闘気を解放するように思い描くと、彼と同じようにじわじわと足元から熱風が上に上がって来た所で目を開ける。
この感覚も懐かしいな……そう思った瞬間 ———
師範の呼吸が変わった。
「炎の呼吸・壱ノ型 」
「不知火」
「炎の呼吸・弐ノ型」
「昇り炎天」
鋭い炎の一閃に対して、私が放ったのは太陽の輪のような炎輪(えんりん)。
そして——
「炎の呼吸 —— 壱ノ型・改」
………これもあの時の私と同じ。大正の勝負を思い出しながら放った型は…
「不知火・連!」
「炎の呼吸 —— 肆ノ型・盛炎のうねり!」
左右に閃く烈火の連撃と、渦状に繰り出される炎の壁。
お互いが100年前出しあった型を丁度対比するようになぞっていった。