恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第21章 令和の師範と継子 ② / 🔥
私がキッチンでデザートの用意をしていると、杏寿郎さんが後ろに立った。そして私のお腹に手を回して来る。
「どうしたんですか?」
「君にこうしたくなっただけだが?」
そう言うと、自分の頬を私の頬にピタッとくっつけて来た。
男らしさは今も昔も殆ど変わらないけど、令和の杏寿郎さんは私の前だと大分甘えてくる気がする。前世と違って、今世の彼には母親の瑠火さんがいる。それが大きいのかもしれない。
幸せだなあ……そう思いを噛み締めていると、顎を取られてキスをされた。
「んぅ…ごはん冷めちゃいますよ…」
持っていたスプーンを一旦ヨーグルトが入っているお皿に置き、一回では済まなそうだなあと思ったので、自分と彼の唇の間に掌を入れる。
「すまんな、わかってはいるのだが…」
目の前には垂れ下がった眉の彼。もう……この顔、本当にかわいい……!!
「大丈夫です。そんな杏寿郎さんも私、大好きですから」
一度私からも、小さなキスを贈る。
「…血鬼術じゃないですよ?」
「うむ…」
少しだけ赤くなった彼の手を引いて、一緒にテーブルに向かう。
そして「うまい!」「わっしょい!」の二重奏を目の前で聞きながら、私は恋人と朝ごはんを食べた。