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恋はどこからやって来る?(短編・中編)

第71章 右手に陽光、左手に新月〜水柱ver.〜 / 🌊・🎴



予想以上に心地が良い経験だった。義勇はもう一度礼を二人に伝えると「少し寝る」と言いながら襖の扉を開けるために立ち上がった。

ふわっと室内を椿油の香りが通り抜ける。
七瀬と炭治郎は布団を出す手伝いをした後は退室し、厨(くりや)へと向かう。

「師範は起きたら食べる、気にするなって言ってたから…お言葉に甘えてお団子食べちゃう? ほうじ茶の茶葉も買えたし!」

「俺も一緒に良いのか?」

「もちろん」

ニコッと笑顔を見せる七瀬にどきりと心臓が跳ねる炭治郎。
共に甘味を食べる為の準備を終え、普段食事をする客間へと移動した。

「二回目の百人一首大会って来月だっけ。炭治郎どれくらい覚えた?」

「三分の一も覚えてないなあ。義勇さん、あんなに忙しいのに俺達より札取れるって本当に凄いと思う」

「理由聞いても秘密だって言ってたしねぇ」

パクパクと美味しい団子に満足しながら、二人は次回産屋敷邸で行われる予定の百人一首大会に思いを馳せる。

「私、本部行くの初めてかも。炭治郎は確か一回行った事あるんだっけ」

「うん…そうだな」

団子を一つ残した状態で手が止まってしまう炭治郎、どうやら初めて行った…正しくは連れて行かれたのだが、彼にとってはあまり良い思い出とは言えない出来事なのだ。


「ごめん、嫌な事思い出させちゃったね。継子は同行可能って聞いているけど、強制ではないから私一人でも大丈夫だよ」

「いや! それはタメだ。七瀬が行くなら俺も行かないと。義勇さんがどんな勝負するのかも見たいし」

「わかった。じゃあ一緒に師範を応援しに行こう」

七瀬声をかけた事で、彼にまた笑顔が宿る。残っていた団子をパクリと口の中に入れ、あっという間に食べてしまった。

「任務の準備するまで一緒に覚える?」

「うん、俺も今そう言おうと思ってた所だ」


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