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恋はどこからやって来る?(短編・中編)

第71章 右手に陽光、左手に新月〜水柱ver.〜 / 🌊・🎴



「(どうする?考えろ、どうすれば良いんだ! 七瀬はきっと俺がヒノカミ神楽を出す機会を作ってくれている…!)」

目の前では同期隊士が柱である兄弟子と防戦一方になりながらも、打ち合っている。

息を整え終えた炭治郎は木刀を中段に構えつつ、どうやって攻撃をするかをひたすらに考えていた。

「(ここは炎舞か!? これなら連撃だから一度かわされたとしても、もう一回好機がある!)」

「(速いし、重いし、腕が悲鳴をあげそう…!! でも…でも水柱と剣を交えるのは楽しいかも…!)」

義勇の容赦のない太刀捌きをギリギリの所で受けている七瀬だが、表情は明るい。

今まで同期隊士や階級が上の隊士としか打ち合いをした事がなく、柱とは合同任務はあったものの、こうして太刀を交える事はなかった。

「(何故沢渡はこんな顔をするのだろう。辛そうだが、僅かに微笑んでいるように見える。俺の気のせいか?)」

義勇もまた打ち込んでも打ち込んでも、懸命に自分の木刀を払う七瀬を見ながら、不思議な感情が胸の中に浮かんでいた。

木刀同士が七瀬の動きによって、再び離れた瞬間 ———

「ヒノカミ神楽・炎舞」

炭治郎の一撃が義勇に襲いかかる。
先程彼が言ったようにこの技は連撃なので、好機は二度ある。

炎が上から下へ、下から上へと舞う様はさながら【演舞】を彷彿とさせるようだ。

カン、カン、と兄弟子と弟弟子の木刀が二度程当たった後、僅かに義勇が後退した。

「(…!これが炭治郎のヒノカミ神楽か。水の呼吸を使用する時より速い…!)」

「(よし…! 少しは効いたみたいだ。次は——)」


【ヒノカミ神楽・円舞】


炎舞から円舞へ。
同じ言葉の響きを持つ技であるが、この型は連撃ではなく、上から下に向かって円を描くように得物を振るう。

ヒノカミ神楽の基本形のような技であり、水の呼吸の弍ノ型である【水車】とも似ている。

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