第71章 右手に陽光、左手に新月〜水柱ver.〜 / 🌊・🎴
★
二人が立てた義勇に勝つ為の作戦 ——— それはこう言った物である。
「炭治郎は確か水の呼吸よりヒノカミ神楽の方がやりやすいんだよね?」
「うん、刀は振りやすいと思う。体力は水の呼吸を放つ時より使うけど、威力は強いから」
「じゃあ炭治郎が攻撃する時はなるべくそっち使って、防御する時は水の呼吸中心でいこうか。水柱は水の呼吸は見慣れてるし、どんな技なのかも把握してるから」
互いの役割は分けた方が良い事、義勇に一撃を入れるには単発の攻撃より負担はかかるが連撃が有効だと言う事。
柱の動きを見極めるのはなかなか難しいと思うが、動きを何とか把握して好機を逃さないようにする事。
七瀬はそんな戦術を炭治郎に伝えていく。
「幸い私達三人は同じ呼吸を使うじゃない? だからどんな動きをしたらこの型が出るって言うのは感覚や経験でわかると思うんだよね」
逆にヒノカミ神楽は水の呼吸とは対極の呼吸。水柱と言えども判断は多少遅れるのではないか。
「私もあなたのヒノカミ神楽は一回しか見た事ないから、正直どう対応したら良いかわからないの。でもこれは水柱も同じじゃないかな。だから反応される前に連撃で叩き込む」
水の呼吸は攻撃主体と言うより、攻撃をかわす事に向いている。
しかし、それでも義勇が放つ呼吸は精度も強度も高い。
「先手必勝だと思う。凄く判断が速い人だし」
「そうだな、迷ってたらやられるもんな」
「うん、じゃあそれでいこっか」
★
「水の呼吸 ——」
「(え!?もう呼吸出すの??…本気出してくれるのはありがたいけど…)」
七瀬は義勇が最初はこちらの様子見をし、頃合いの良い所で呼吸を放つのだろう。
そんな予想をしていたのだが、きちんと自分達に向き合い、勝負をする彼に驚きを隠せなかった。
「肆ノ型・打ち潮」
「(確か水柱の得意な型だ! だったら…)」