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――流星――【鬼滅の刃】

第1章 出会いと別れ



『ハア…やっと着いた……』

着いたと言ってもまだここは聖の家であるが、熊を解体して持ってくるために小刀と荷車を取りに来たのだ。

『ただいま』

ふぅ〜っ。とため息をついていると父親が走ってきた。
「聖!大丈夫なのか優は!」
『大丈夫だから!お父さん体悪いのに走ってこないで!』
「すまない……無事かどうか知りたくて……っゲホッケホッッッッ……」
『ほらまた始まった!勇!!!!!早くお父さんを布団へ!!!!!』
「了解!!!!!ほらよ姉貴!!!!!小刀だ!!!!!」
『ありがとう!』

聖は急いで小刀……もとい脇差を肩にかけて荷車を引き、山に登っていく。

『こんなこと言えないけど今夜はご馳走の肉が食べられる。
綺麗に皮も剥がして売らなきゃ』







『よいしょっと……こんなもんかな第一陣は、』

聖はまず熊の内蔵を全て綺麗に桶に出し、頭をとって山を下った。そしてまた登ってきて今度は肉と皮を綺麗に離して積んで下ってきた。旅の者はまだ齢14程の子供が熊を運んでるところを見て皆驚いてこちらを見ていた。逆にに村の者は今日もやったのかと言わんばかりの視線を向けていたり、感謝したりする者が多かった。

第二陣が終わると家の勝手口の前が熊で邪魔だった。まあ優を連れてきてから捌くので問題ないだろうと思い、袴に着替え優を迎えに行った。




トントントン

『天野聖です。弟の優を迎えに来ました。』

「おやおかえり、早かったね。優くんならもう大丈夫だよ。
傷からの熱も収まってもう元気で五月蝿いほどだよ。」
と医者が笑うのも無理はない。なにせ外にいても声が聞こえる程だ。早く連れ帰らねば。

『優!!!!!帰るよ!!!!!』
「あ!!!!!お姉ちゃん!」
『優、もう大丈夫かい?』
「うん!元気になった!もう走れる!」
『アンタは走んなくていいの。じゃあお暇しますね。』
「ああ。これ、薬だ。造血薬もある。毎日飲ませなさい。」
『はい。ありがとうございます。お世話になりました。』
「いやいや大丈夫だよ。まあ、熊に襲われたと聞いた時は驚いたがな。2人とも無事でよかったよ。」
『はい。では。』
「ああ。気をつけてな」


『優。走るよ』
「うん。」
『しっかり捕まっててね。』

聖は勢いよく走り出し、四半刻も経たずに家へ帰った。
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