第1章 出会いと別れ
「鬼殺隊―――
その数はおよそ数百名の隊員で構成されていて
政府から公式には認められてはいない組織、
ですが古より存在し、今宵も鬼を狩る。
鬼―――
主食・人間。
人間を殺して貪り食う怪物です
いつ、どこで現れたのかは不明。
身体能力が異様に高く傷などもたちどころに治り、切り落とされた肉もつながり手足を新たに生やすことも可能です。
鬼を狩るには日輪の光か特別な刀の刃でないと倒せない。
その鬼殺隊が鬼と呼ばれるものと戦うために使用する刀は"日輪刀"と呼ばれています。
この刀は陽鉱山と呼ばれる山から取れる玉鋼で作られており、たくさんの日光の光を含んでいます。
その刀で鬼の硬い首を切り落とすことで鬼を殺すことが出来ます。」
やっぱしどっかで聞いたことある。どこだろう……
『……鬼は、東京府にしか居ないのですか?』
「いえ、鬼舞辻は東京を中心に活動していると思われますが全国に確認されています。数は少ないですが明治頃から北海道にも、沖縄にも。」
『そうですか……
話は変わるのですが、胡蝶さん……貴女毒を摂取しているんじゃないですか……?恐らく藤の花だと思うのですが。』
!……どこでそれを、
「……不死川さん。貴方知ってたんですか?」
「は!知らねェし初耳だわ!てかテメェ毒飲んでんのかよ!?」
不死川さんは私が毒を飲んでいることを知らなかった。私も教えてないし、気付きもしなかった。
じゃあ……この子自分で?でもどうして……
『申し訳ありません。動揺させてしまって。
私は鼻がよく利くのです。相手の感情や行動を多少なら読むことができます。
私が毒を飲んでいるのではないかと思ったのは胡蝶さんとこの部屋に入ってからです。
この屋敷には酷く藤の花の匂いがこびりついている。おそらくかなり前から飲んでいますね?でも胡蝶さん程強い匂いではない。ですが人間から藤の花の匂いがするはずないのにするのはおかしいし、そのへんに咲いている藤とは少し違ってツンとした匂いがすると思って藤の花には有毒の部分があるのを思い出したのです。それで……』
鼻が利くだけじゃ分からないことも完璧に言い当てている……
「正解です聖さん。確かに私は藤の毒を摂取しています。2年ほど前から。」
「胡蝶……」
「……くれぐれも他の人には言わないでくださいよ。」
「ああ……ならそこの青い蝶の奴もだぜ。」