第1章 出会いと別れ
『何も無いといいんだけどな……』
聖は嫌な予感に顔を歪ませながら家まで駆けて行く
『さっきのあの人のことも気がかりだけど、優の怪我がどうにかなってたらどうしよ……ッ!!!!!』
な……血の匂い……!?いや、でも優のかも……
家まであと数百メートル程に来ると風に乗って血の匂いが流れてきた。
はぁ…はあ…
『お父さん!!!!!優!!!!!勇!!!!!』
家の扉を開けるとそこには血の海が広がっており、そこには血を流して倒れている勇と父、そして見知らぬ男が立っていた。
「おや、随分と戻るのが早かったな。稀血の娘。」
「聖ッ!!!!!……逃げ……ろ……!!!!!」
「五月蝿い。お前は黙っていろ。」
そういうとその男は父に向かって触手のようなものを向けた。
「ヒッ……!!」
「そうだそれで良い。男、お前は鬼にしてやる。」
「なっ……!!やめッ!!!!!……かはッ……!!」
男は父に向けた触手のようなものを首元に刺した。すると突然父は悶え苦しみだした。
『父に何をした貴様ァァァ!!!!!』
「まあ良いではないか娘。お前の父には私の血をたっぷりやっただけだ。そのうち肉の塊となり死ぬか運良く鬼になるかだ。
自己紹介をしてやろう。私は鬼舞辻無惨という。娘、お前の名はなんという?」
『……!!俺は天野 聖だ!!お前は一体何者だ!!』
「お前の2人の弟と父の仇ということになる。」
は……?なんつったこの男……優と勇と父の仇だと……?
ッ……!!!!!殺す……殺してやる!!!!!
『鬼舞辻無惨!!!!!お前を殺してやる!!!!!』
「ふっ……殺せるものなら殺してみるが良い。」
聖は腰に差してある脇差に手をかけた。
『ア"ア"ア"ア"ア"!!!!!』
その時
「そこまでだ。女」
『ッ!?誰だお前!!どけろ!!!!!俺はこの男を殺すんだ!!!!!』
「チッ。今のお前にはこの男に傷1つ負わせることできない。諦めろ。」
「お前……柱か。」
「アァ。そうだ。鬼舞辻無惨サマよォ……!!!!!」
「お前も私を殺したいようだが今日はもう終わりだ。」
そう鬼舞辻が言うとまたベベンッと琵琶の音がなり襖が現れた。
「じゃあな。柱と天野聖よ。」
鬼舞辻は現れた襖の中へ消えていった。