• テキストサイズ

君と紡ぐ恋物語【鬼滅の刃】

第5章 守りたいもの 錆兎


本気で怖がる私に、耐えきれなかったのか錆兎は吹き出した。


「ブッ…ハハハ!ほんとに紗夜は昔から怖がりだなぁ」
「しょうがないじゃん!怖いものは怖いんだよ…」
「普段はどうしてるんだ?一人でこういう所も行くだろう」
「普段は…なずなを肩に乗せて、一緒に行ってるの…」


なずなは私の鎹鴉で、いつも怖がる私に「ショウガナイワネ!」と言いながらも一緒について来てくれる。
頼りになる私の相棒だ。


「ふーん、成る程な……」
「……何?」


錆兎は顎に手をかけ何か考え始める。
何だろう、何を言われるんだろう。
義勇にいつも「男なら!」って何か言ってる時あるけど、今日はあれかな?「女なら!」って言うのかな?
そんな事を考えていたら、


「よし!これで行こう」


考えが纏まったみたい。
何を言うのかなと構えていると、急に錆兎は私に向かって右手を出してきた。

「?」

ちょっとよく分からないので、取り敢えず私も右手を出してみる。


「そっちじゃ無い。左手だ」

え、左手?

分からないまま、言われるがまま左手を出すと、


「こうするんだ」


錆兎は私のその手をぎゅっと握った。


「これなら怖く無いだろ?」


そう言いながら、こちらに向けた錆兎の笑顔は、柔らかな、いつも私を安心させてくれる、温かい笑顔だった。


私の大好きな、優しい笑顔だ。






/ 234ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp