第5章 守りたいもの 錆兎
甘味屋さんへ入り、私は葛餅を、真菰はみたらし団子と三色団子を一本ずつ注文した。
「じゃあ紗夜、お話しよっか!」
「その…話って?」
「好きなんだよね?錆兎」
「ブッ…!」
まさかそんな事聞かれると思わなくて、飲んでいたお茶を吹いてしまった。
成る程、女同士の話…ね。
「で?いつから?」
「えっ⁈…えっと…」
グイグイと迫って来る真菰。
見ると真菰の目がいつになくキラキラと輝いている。
今まで真菰とこんな話した事なくて知らなかったけれど、真菰は結構こういう話が好きみたいだった。
鬼殺隊だって事を除けば、普通の女の子だもんね。
いや、それは私もそうなんだけど。
「3年…くらい前から…」
「ぇえ⁈そんなに前から⁈何で言ってくれなかったの〜!」
「だっ、だって…鬼狩るので忙しかったし…こんな、恋愛なんてしてる場合じゃないと思って…」
「そんなの関係ないよ〜!鬼殺隊は鬼殺隊!恋は恋!別物でしょーが!」
「うっ…」
真菰に怒られた。
何でこんなに怒られてるんだろうと良く分からなくなってきて、取り敢えず目の前の葛餅を一口パクリと食べる。
うん、甘くて美味しい。
ぷりぷり怒っていた真菰も食べてる私に釣られたのか、みたらし団子を一口食べると、「美味しい〜」とまた一口お団子を頬張る。
みたらし団子のおかげで真菰の怒りはおさまったみたいだ。