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君と紡ぐ恋物語【鬼滅の刃】

第4章 初めてのキスはレモン味 伊黒小芭内



暫くすると、しゃくり上げる様子もなくなり、落ち着いてきたようだ。

少し身体を離し、頬に流れた涙の跡を指で優しく拭ってやった。


「あ……ごめんね」
「いや、落ち着いたか?」
「うん、もう大丈夫だよ。ありがとう」


月城が少し笑ってくれて、嬉しくなった。


「私、伊黒くんにいつも元気をもらってる気がする」
「そうなのか?」

「うん。だってね、仕事の相談乗ってくれたりとか、屋上で何でもないお喋りした後とか、私いつも元気になれるよ。
あ!あとこの前飴くれたでしょ?あれね、嬉しかったよ。すっごく元気出たの!ありがとね!」


飴ひとつでこんなに嬉しいと言ってくれるとは。
俺の方が嬉しくなってしまう。


「なら、今日も元気になっておくか?」
「え?」
「口、開けて」


素直に口を開ける月城。
俺は、ポケットに入れていた小さな袋を開けると、月城の口の中へコロンと一粒入れてやった。
少しだけ触れた唇の柔らかさに、思わずドキリとした。


「ん⁈飴⁈」
「この前と一緒のしかなくてすまないが」
「ううん、ありがと!いつも持ってるの?」
「まぁ大体。俺らの仕事は結構頭使うからな。時々無性に糖分が欲しくなる。飴なら手軽で楽だ」
「なるほど〜。ふふっ」


「この飴気に入っちゃった!美味しい〜!」と無邪気に笑う月城が、なんだか無性に可愛くて、俺は思わず月城の頭を撫でた。


「伊黒くん…?」


触れたくなったのだ。







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