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君と紡ぐ恋物語【鬼滅の刃】

第4章 初めてのキスはレモン味 伊黒小芭内


「涼しくて気持ちいいー」

10月に入り、夜は少し肌寒くなって来た今日この頃だが、酒が入り熱った身体にはこの涼しさで丁度いい。


「今日は楽しくて沢山飲んじゃった」
「あぁ、俺もだ。いつもより酔ってるかもしれない」
「ふふっ、また皆で行こうね」


不意に向けられた笑顔に思わず胸が高鳴った。
笑った顔が可愛いと、純粋にそう思った。

なんだ…そういえば昼間もこんな感じで胸が妙に騒ついた。
俺は一体どうしたんだろうか…


「それにしても、冨岡くんがあんなに潰れちゃうなんて思わなかったな。いつもはお酒強いのに」
「それだけ今日は疲弊していたんだろう」


聞けば竹下は、15分に一回質問だと話しかけ、終業前の最後の1時間は冨岡の隣の空いているデスクに陣取り、仕事と関係のない話で冨岡を質問攻めにしていたらしい。
オイ仕事はどうしたと突っ込んでやりたいが……

まぁ、今日だけは同情してやってもいいだろう。


「冨岡くんには申し訳なかったな。伊黒くんもいつも大変でしょ。本当は私がやらなきゃいけないのにごめんね」


申し訳なさそうな顔をする月城に、俺の方が申し訳なくなってくる。
心配しなくても俺は大人だ。
多少のストレスくらい耐えられる。


「いや、研修期間の間だけだろう。そのくらいなら我慢出来る。心配するな」


俺がそう言うと、月城は「ありがとう」と言って柔らかく微笑んだ。
それを見て、俺の鼓動がまたトクンと跳ねた。




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