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君と紡ぐ恋物語【鬼滅の刃】

第4章 初めてのキスはレモン味 伊黒小芭内


「でもね、資料作るのはすっごく速いの!おかげでプレゼンの練習する時間が出来て助かったよ」

そう言って、彼女はニコッと笑った。


まず、冨岡なんか褒めるところがあった事に驚きだ。
そんな所俺だったら気にも止めないだろう。
小さな事にも気付ける月城は褒め上手だと思った。

「伊黒くんていつも昼休みはここにいるの?」
「そうだな。大体いつもここにいる」
「屋上って初めて来たけど景色良いんだね、紅葉とか最高!」
「だろう?誰も知らない絶景ポイントを知っているという優越感に浸れる」
「あはは!何かそれ分かる!じゃあさ、誰にも言わないからまたここ来ていい?気に入っちゃった」
「ああ、来たければ来れば良いんじゃないか?ここは俺の家じゃないからな」
「あ、そっか。へへっ」


それから他愛も無い話をしているうちに、そろそろ昼休みが終わる時間になった。


「…非常に戻りたく無い」
「まぁまぁそんな事言わずに」
「お前だってそう思うだろう?」
「うっ…思わないわけでは無いけど…」


何故俺がこんな事を言っているのか。
それは、戻れば新人指導が待っているからだ。
普通の新人指導なら別にどうって事ない。
だが今回に限っては……その新人自体が問題だった。


「竹下さんも頑張ってるみたいだし…」
「アレのどこが頑張っているんだ?男に媚び売っている様にしか見えないのだが。あの猫撫で声で来られると無性に腹が立つ!」
「うーん、きっと癖なんだね。あの子は私達が担当だからしょうがない、我慢だね!」


気合い入れて!っとバシッと月城に背中を叩かれる。
仕方がない、行ってやるか。
あの竹下って奴が使い物にならなければ指導した俺達のせいにされてしまう。


「…定時が3時になればいいと思わないか?」
「その分お給料が減りそうだけどね」
「……やはり5時半まで我慢しよう」
「ガンバロー!」





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