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君と紡ぐ恋物語【鬼滅の刃】

第3章 君の笑顔が好きだから 煉獄杏寿郎





ー翌朝。

玄関先で3人紗夜を見送った。

「槇寿郎さん、杏寿郎さん、千寿郎くん、いってきまーす!」

「ああ、気を付けて行ってこい」
「うむ!無事を祈る!」
「紗夜さん、いってらっしゃーい!」

紗夜は元気よく出発して行った。


無事に帰って来い。
帰って来たらうんと甘やかしてやろう。


先に千寿郎が戻って行った。
俺も一度戻ろうと踵を返すと、後ろから父上に声を掛けられた。

「杏寿郎」
「はい!」
「お前…」
「はい!」
「……昨日紗夜を抱いたのか?」
「はい⁈」

よもや!
なんて事を聞いてくるのかこの人は!
まさか自分の親にそんな事を聞かれるとは思わず素っ頓狂な声を上げてしまった。

「いえ、抱いてませんが!」
「そうか、起きたら紗夜がお前の部屋から出てくるのが見えたんだが…」
「そ、それは…一応恋仲になりましたので。添い寝はしましたがそれ以上はしていません」

俺は一体何の報告をしているんだ…
恋仲との進行状況を親に報告する奴なんて聞いたことがない。

「そうか。大切にしてやれ。あの子は昔から寂しがりやの泣き虫だからな」
「承知しています」
「ああ、ところでお前は、紗夜を嫁にする気はあるのか?」
「父上!話が飛躍し過ぎていませんか⁈ 紗夜とはまだ恋仲になったばかりなので!」
「そうか?こう言う話は早いに越した事はないだろう」
「俺はっ…いずれはと思っていますが、そこは紗夜本人にも聞きませんと」
「まぁそうだな。先に言っておくが、俺は紗夜なら大歓迎だ」


父上は俺の肩にポンと手を置くと、にこやかな顔でこう言った。

「祝言の日取りが決まったら教えてくれ」


それだけ言うと、唖然とする俺を置いて先に戻って行った。
はっはっはと笑いながら去っていく父上は、いつも以上にご機嫌だった。



「よ…よもや…」

驚いた…父上があんな事を言うなんて。
紗夜が聞いたらなんと言うだろうか。
「気が早い!」なんて言って笑い出しそうだな。


いずれにせよ、紗夜が笑顔になれそうな話が出来る事を嬉しく思った。





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