• テキストサイズ

君と紡ぐ恋物語【鬼滅の刃】

第3章 君の笑顔が好きだから 煉獄杏寿郎


「ところで、ここで何してたんですか?」
「うむ!仔猫を探していた!」
「仔猫?」
「ああ!父上が明日まで預かる事になった仔猫だ!紗夜も探してくれないだろうか!」
「いいですけど………もしかして、あそこにいる仔猫ちゃんですか?」
「む⁈…………よもや‼︎」


俺の後ろを指差す紗夜。
その指差す先に視線を移せば……


「いるな!」
「はい、私が来た頃にはいましたけど」


俺の後ろに佇む木の上に、白くて小さな生き物が。
正に俺達が探していた仔猫だった。
鬼の気配は察知出来るのに猫の気配は察知出来なかった。
何か違うのだろうか。


「杏寿郎さん!仔猫ちゃん震えてますよ!早く下ろしてあげないと…」
「そうだな!では俺が登って救出しよう!」
「あぁ、待ってください!仔猫ちゃんのいる木の枝細くないですか?杏寿郎さんが行ったら折れちゃいそうです!ここは私が…!」


そう言うと、紗夜は登る準備を始める。
さっきまで出掛けていた為、今日は着物を着ていた。
邪魔になる袖を襷掛けし、着物の裾を上げ端を帯へ挟み込む。
折角綺麗にめかし込んでいたのに、あっという間に活発的な装いに変貌してしまい、少し残念だ。


「紗夜、やはり俺が…」
「大丈夫です。私鬼殺隊ですから。猫助けくらいチョチョイのチョイです!」


あぁ、非番の日くらい鬼殺隊である事を忘れて普通の女の子に戻ったって構わないのに。
言いたい事は色々あるのだが、もう紗夜は既に登ってしまった。


いや、登ったのではない。
仔猫のいる木の枝に飛び乗ったのだ。
俺の背丈よりもまだ上の枝に。
まぁこのくらい鬼殺隊なら朝飯前だ。





/ 234ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp