第8章 あなたの愛に包まれて*中編 下* 宇髄天元
朝までなんて言わず、ずっと一緒にいてやるよ
だって約束しただろう?
ずっと一緒にいようなって
俺はお前から離れたりなんかしねぇから
10年先も20年先も
その先だってずっとずっとそばにいる
だからお前は何も心配しなくていいんだよ
紗夜がしっかり寝たことを確認すると、俺はそっと布団から抜け出し、風呂場へと向かった。
シャワーの他に諸々済ませ、再び部屋へと戻る。
奏真は何も掛けていなかった。
暑かったのか、足元を見ればくしゃくしゃに丸まった掛け布団。
「派手に蹴飛ばしてんなぁ」
これで身体冷やしちまったら元も子もねぇ。
「我慢しろよー」と丸まった布団を広げ、また身体にかけてやった。
ついでにおでこを触って熱も確認。
よしよし、下がってんな。
明日になりゃもう元気いっぱいだろ。
こうしてみると当たり前だが、寝顔が紗夜とそっくりだ。
そんなところに紗夜とは別の愛しさを感じる。
そっと頭を撫でてから、俺はさっき抜け出した紗夜の布団へと戻った。