第8章 あなたの愛に包まれて*中編 下* 宇髄天元
俺が入った気配を感じたか、紗夜は起きなかったものの、モゾモゾと動き俺を探り当て、さっきと同じように俺の胸にぴたっとくっ付いた。
余程ここが気に入ったのか、寝ながらも嬉しそうに微笑む紗夜。
俺も釣られてつい頬が緩む。
ホントに、俺の腕の中にいるんだな…
紗夜の髪を撫でながら、この愛しい温もりが自分のものになったことを改めて実感する。
2年は長かった。
その間、ひたすら紗夜だけを想い続けた。
基本自由奔放な俺。
思い通りにならなければすぐさま次へ切り替えてきた。
そんな俺が、一人の女をこんなにも一途に思い続けるなんて…
よく諦めずに持ち堪えたと思う。
本気になれば、こんなに頑張れるのか俺と、自分で自分に驚いた。
待ち続け、やっと手に入った紗夜も奏真も、この世で一番の俺の宝物だ。
少し火照る紗夜の身体をそっと抱きしめ、穏やかな気持ちで幸せに浸りながら、俺も眠りにつくのだった。
翌朝、ベッドの上から降って来た、小さな天使に派手に起こされることになるとも知らずに…
⭐︎後編へ続く⭐︎