第8章 あなたの愛に包まれて*中編 下* 宇髄天元
コンビニを出ると、不死川はレジ袋の中からさっきのプリンを取り出した。
「ほらよ、持ってけェ」
「サンキューな」
俺はプリンを受け取りながら、不死川の持ってる袋の中にまだ何か入っているのを確認する。
そういやプリンをカゴに入れる時、一緒にもう一つ入れてたな。
アレか。
きっと…
「それ、葉月チャンの?」
そうだろうと思いながら、袋を指差し聞いてみる。
「アァ、甘いモン食いてェっつうからよォ」
またキレられるかと思いきや、意外とすんなり教えてくれた。
「優しい旦那サマネ」
「チッ、るせーなァ。…昼間一人で赤ん坊の世話して家事もこなして、夜寝る頃になってやっと一息つけると思ったら今度は夜泣きで起こされて。こんなんじゃァ、休む暇もねェだろォ」
「…大変だな」
「大変なんだよ。俺は昼間一緒に見られねぇし、夜中の夜泣きを代わって見てやるくらいしか手伝えねェ。だから、なんか欲しいモンがありゃ買いに行ってやるし、こんなん苦でもなんでもねェ。むしろやってやりてェんだよ」
普段の不死川からは想像も出来ない言葉の数々に、そこから少しでも嫁を労りたいという不死川の優しさが垣間見える。
つくづくいい男だよ、不死川。