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君と紡ぐ恋物語【鬼滅の刃】

第8章 あなたの愛に包まれて*中編 下* 宇髄天元







一頻りキスを堪能したがそれでも飽き足らず、俺は紗夜を自分の膝の上に乗せてぎゅっと抱きしめていた。

「宇髄さん、そろそろ…」

「んー、もうちょい。くっつきてぇの。ダメ?」

「…ダメじゃないです」

恥ずかしそうにしながら、その顔を隠そうと俺の胸にグリグリ押し付け埋める紗夜。

なにこの可愛い生き物…
もうどうにかしたくて仕方ないんですけど?

…ダメだ、今日はお預け。
自分を抑え、それでも抱きしめることだけは許して欲しいと、さっきよりも少しだけ…腕に力を込めた。

「宇髄さん」

「ん?」

「ずっと、一緒にいてもいいですか?」

そんなの、聞くまでもねぇ。

例えじーさんばーさんになっても、俺の気持ちは変わらねぇから。

「ずっと一緒にいような」

俺がそう言えば、紗夜は嬉しそうにふわりと笑う。
堪らずその唇へキスを落とした。

「私、こんなに幸せでいいのかな」

「いいんだよ、俺も幸せだから」

「ふふ、……ほんとに、幸せです。幸せ過ぎて…なんか、…………………あつい」

「あついか、………ん?」

あつい…?

もしやと思い紗夜のおでこに手を当ててみる。

「ぅお、あっつ!」

熱あんじゃん!

「おい紗夜、大丈夫か⁈」

「んー…、多分?あ、でもちょっと眩暈が…」

「マジか…取り敢えず横んなれっ…」

「すみません…少し前からふわふわするなと思ってたんですけど、…幸せだからかなぁって…へへ」

なんで言わねぇ!

思わず叱りたくなるが、それでも『幸せだからかなぁ』なんてそんな理由を聞かされれば怒れるわけもなく…

奏真の風邪がうつったんだろう。
隣に寝かせるかと紗夜に布団の在り処を聞き出し、奏真のベッドの隣に敷いてそこへ寝かせた。

ただ泊まるだけだった筈なのに、まさか二人を看病することになるとは。
まぁ、たまにはこんなのもありか。

「必要なモンだけ買ってくるから、ちゃんといい子で寝てろよ?」

「はい。宇髄さん、ごめんなさい…」

「ごめんじゃなくて?」

「…ありがとうございます」

「ん、よろしい。んじゃ、行ってくるな」

「いってらっしゃい」

弱々しいけれども健気に微笑む紗夜に素早くキスをし、奏真がしっかり寝ていることを確認してから俺は買い物へと出かけた。


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