第8章 あなたの愛に包まれて*中編 下* 宇髄天元
「大丈夫だから、心配すんな」
「はい」
よしよしと頭を撫でてやると、頬を染めて嬉しそうに微笑む紗夜。
そんな紗夜を見てたら、俺も嬉しくなってつい頬が緩む。
ずっと見ていてぇなぁ。
ずーっと。
……。
……あ。
そういや俺、大事なこと言ってねぇ。
「紗夜、…今から大事なこと言うから、聞いてな」
紗夜はコクンと頷き俺を見上げる。
俺より小さな紗夜の手を握り、俺は続けた。
「俺は、お前とずっと一緒に居てぇと思ってる。だから…
俺と付き合ってください。…結婚を前提に」
紗夜は大きな瞳を更に大きくする。
そして、今まで見てきた中で一番幸せそうに微笑んだ。
「はい、よろしくお願いします!」
紗夜は繋いでいた手をぱっと離し、俺にぎゅっと抱きついてきた。
あぁ、俺もう嬉しくて舞い上がりそうだ。
抱きついてきた紗夜をぎゅうっと抱きしめ返し、幸せを噛み締める。
「なぁ、キスしていい?」
「…いいですよ」
ほんのり桃色に染まった紗夜の頬に手を添え、ゆっくり顔を近付けていく。
「紗夜、愛してる」
「私も…愛してます」
初めて合わせた唇は、柔らかくて蕩けちまいそうだった。
啄むようなキスを繰り返し、ずっとこのままでいられたらいいなんて頭の片隅でぼんやりと考えながら、この甘いキスに没頭するのだった。