• テキストサイズ

君と紡ぐ恋物語【鬼滅の刃】

第8章 あなたの愛に包まれて*中編 下* 宇髄天元



「紗夜?」

「宇髄さん、ごめんなさい…」

「なんだよ、どうした?」

もう謝ることなんかないだろう?
そう思うのに、俯いた紗夜はひどく申し訳なさそうに話出す。

「館長に内緒にして欲しいって言ったくせに、私本当は後悔してたんです。奏真の看病しながら、急変したらどうしようとか考えちゃって…、でもこの子の親は私なんだから私が頑張らなきゃって思うのに、心のどこかで…今、いてくれたらいいのにって思ってました」

下を向いている紗夜の顔は見えない。
だが紗夜の声は心なしか震えていた。

「心細くて…、……頼りたかった…」

「紗夜…」

初めて聞く紗夜の本音。
ずっと、我慢してたんだよな。
一人で子育てをするということの不安、寂しさを。

お前が望むなら、いや、例え望まなくても…
俺はお前の背負ってるモン全部、丸ごと受け止める覚悟だよ。

だから…


「なぁ、聞いてもいいか?」

「…はい」

「お前の言う…いて欲しい、頼りたいっての、…それ、誰でもいいわけ?」


すげー嫌な聞き方。
分かってる、でも聞きてぇんだよ。
お前の口から直接。

言ってくれ、俺の名前を……


「違うの…、誰でも良くないっ…」


紗夜は大きくかぶりを振って俺を見上げた。
溢れそうな涙を必死で堪えながら。


「……宇髄さんがいいっ……!」


「っ…… 紗夜!」


縋るように叫んだ紗夜を、俺は堪らず掻き抱いた。





/ 234ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp