第8章 あなたの愛に包まれて*中編 下* 宇髄天元
アレンジっつってもさっき言った材料を炒めて市販のソース入れて最後に茹でたパスタ入れて絡めるだけだ。
あっという間に出来上がり。
皿に盛り付け、この間来た時のローテーブルへと運ぶ。
すると、先にサラダとスープを運んでいた紗夜がぱぁっと顔を輝かせた。
「わぁっ、美味しそう!お店のみたいです!」
「っはは、大袈裟。ほら、早く食っちまおうぜ。腹減った」
「ふふ、はい!」
紗夜は終始美味しいと言って食べてくれた。
自分が作ったモン美味そうに食べてくれると嬉しいもんだな。
俺はいつも以上に腹も心も満たされた。
食べ終わると紗夜は洗い物を始めたので、俺は腹を落ち着かせるため大人しく座ってこの後の事を考えることにする。
急遽泊まることになったはいいが、まさかこんなことになるなんて全く予想していなかった。
何も持ってねぇ…
着替え…なんてあるわけねぇよなぁ。
待てよ、もしかして前の旦那のが残ってたり?
……無いわー。
そんなん着たくねぇし。
出されても丁重にお断りだ。
やっぱり一旦家戻るか?
あ、そういや車学校だったわ。
……。
よし、コンビニだな。
下着、歯ブラシ、後で買いに行こう。
あーコンビニって便利だなぁなんて考えていると、洗い物を済ませた紗夜が戻ってきた。
「宇髄さん、そういえば館長から預かってる物ってなんですか?」
「ん?……あぁ、忘れてたわ。ほらこれ」
俺は佐々木さんから預かって来た紙袋を紗夜に渡す。
「ありがとうございます。あー!子供服!たくさんある〜!」
「よかったなぁ」
「はい、子供服って意外と高いので助かります!本当に館長にはお世話になりっぱなしです」
「俺も、今日はあの人に世話んなったわ」
そう言うと、紗夜は少しバツの悪そうな顔をして俯いた。