第8章 あなたの愛に包まれて*中編 下* 宇髄天元
やっぱり見てるとどこか危なっかしい。
よく今まで何事もなく二人で生きてこれたなぁ…。
だがやっぱりこの先心配だ。
この関係、早く進展させてぇと切に願う。
俺が二人を、無条件で守れるように。
「それじゃあ…あの……」
紗夜は少し俯くと、遠慮がちに小さな声で、
「泊まっていって、くれ、ます…か…?」
窺うように、下からちらっと目線だけを俺に向ける。
……⁈
ちょっと待て、ヤベェだろ。
その上目遣い反則だっての。
いや可愛過ぎて俺の理性がぶっ飛んじまうって。
…あ“あ“ー!
「…あぁ、泊まってってやるよ」
なけなしの理性を働かせようやく答えた俺の一言に、
「ありがとうございます!わぁ嬉しいどうしよー!」
何故か激しく照れる紗夜は、トレーで赤くなった顔を隠した。
いや照れるのかよ!
可愛いけども!
照れる紗夜を見ていたら、俺まで何やら恥ずかしくなってきて…。
やべぇ、俺今顔赤いんじゃねぇ?
見られてたまるかと口元を手で覆い、思いっきり逸らしてその顔を隠した。
お互い顔を赤くして、
なんだこれ、青春か。
そんな甘酸っぱい空気を醸し出す大人たちをよそに、奏真はモリモリとお粥を頬張るのだった。
「おかゆうまー!」