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君と紡ぐ恋物語【鬼滅の刃】

第8章 あなたの愛に包まれて*中編 下* 宇髄天元





宇髄が出て行くのを二人で暫し見送った後、しのぶがポツリと呟いた。


「館長」

「ん?なんだい?」

「あんな回りくどいことしなくても、元々宇髄さんのことは紗夜さんのところに行かせるつもりだったんですよね?」


常に周りに気を配り、よく気が利き日々の業務を完璧にこなす彼女。
そんなしのぶには、佐々木館長の考えは全てお見通しだったようだ。

ご明察!と佐々木館長はにこっと笑う。


「まぁね、本当は今日打ち合わせの時に言うつもりでいたんだけど、宇髄くんの方から言ってくれたから丁度良かったよ。
……あ。」

「どうしました?」

「打ち合わせを忘れてしまったよ。まぁいいか、来週にしよう」

「相変わらず緩いですね。
……あの、宇髄さんはどんな方なんでしょう?」

「宇髄くん?」

「紗夜さん一人で子育て頑張ってますから、もしそばにいてくださるのなら、ちゃんとした方ならいいなと思ったんです。あの方見た目が結構……チャラいので」

「あはは!見た目はああだけど、人の気持ちの分かる優しい子だよ。あの子が学生の頃から見てきた僕が言うんだから間違いなし!
そうだね、僕も月城さんはよく頑張ってると思うよ。
ただね、子育てって一人で頑張らなきゃいけないってもんじゃないし、支えになってくれる人がいたらいいよね。
月城さんにとって、それが宇髄くんなら僕は嬉しいし安心だよ。
宇髄くんの温かい心でちゃんと包んでくれると思うからね」


そう言うと、佐々木館長は自信満々に、朗らかに笑ってみせる。


「そうですか。それなら、私も安心です」


それに釣られ、しのぶも安心したように、穏やかな笑顔を浮かべた。


「さて。あと少し、お仕事頑張ろうか」

「館長、おやつばっか食べてないで仕事してくださいね?」

「あれ、知ってたの?僕はやっぱり胡蝶さんには隠し事はできないなぁ、はははっ」






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