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君と紡ぐ恋物語【鬼滅の刃】

第7章 あなたの愛に包まれて*中編 上* 宇髄天元


特に気にした様子もなく、男は洗濯物を取り出す為洗濯乾燥機の蓋を開ける。
紗夜の入れたトコの隣でさっきからピーピー鳴ってたのはお前のだったんかよ。

そして洗濯物を出し終えると、ソイツは振り向き様に、とんでもないことを言い放った。

「そうだ、月城さん。終わったらまた洗濯物畳むの手伝ってあげようか?」

……は?
おいおいなんだってぇ?
一緒に洗濯物畳む⁈
何言ってんだコイツ…
しかも“また“っつったよなぁ。
つぅことはよ、何度かその共同作業をご一緒する機会があったわけだ。
そこまで気を許してる相手だったのかと、若干ショックだった。
だが隣の紗夜に目を向けると、俺が思っていたのとはちょっと違うようで…

紗夜の顔が、引き攣っている…

「ぇえ!…あー…」

目が泳いでるし、どう返事をしようか迷っているような…
嫌そうな顔をしているような、気がしないでもない。

「二人でやった方がすぐ終わるし、早く帰れるよ?」

男がそう言うと、紗夜は遂に耐えきれなくなったのか、眉間に皺を寄せ嫌悪感を露わにする。
そんな紗夜の様子になんてお構いなしで、男はにこにこと紗夜の返事を待っている。

紗夜は嫌なんだろう、この顔を見りゃ俺でも分かるってのに動じないこの男。
スゲー余裕。
なんて奴だ。

まぁ、コイツ顔は良い方だからな。
持ち前のそのツラで皆落として来たんだろう。

紗夜みたいなちょっと気が弱そうなタイプは押せばどうにかなると思ってんのか。
ホント、昔の俺を見ているようで胸糞悪ぃわ。

肝心の紗夜はと言うと、黙りこくってしまって話がさっぱり先へ進まない。
もしかしたら紗夜はハッキリNOと言えないタイプかもしれねぇな。
相手の気を悪くする事は言えないと口を噤んでしまうヤツ。

断りやすいように少し助け舟を出してやろうかと口を開きかけたその時、

「あのっ…け、結構です…!」

紗夜はとても大きな声を出した。

おぉ、言えんじゃねぇの。
偉い偉い。




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