第7章 あなたの愛に包まれて*中編 上* 宇髄天元
「んで?今日の夜デートかよ。お盛んですねェ」
聞こえてたんかよ。
そんでもってお盛んて…。
コインランドリーで盛ってどうする。
どんだけ飢えてんだ。
「デートってもんでもねぇよ。昼間洗濯干し忘れたっつーからコインランドリーまでついてってやるだけだ」
「は?コインランドリー?んなもん一人で行けんだろォ?子供じゃあるめェし」
「変な男に絡まれたらどーしてくれんの?」
「ァア?優しさ振り撒きやがってこの色男がよォ。…そんな可愛いんかァ?」
「超絶可愛い」
「ヘェー」
「子供かいるとは思えねぇくらいな」
「ヘェ……はァ⁈子供ォ⁈おまっ……、久しぶりだからってそんな刺激求めてどーするつもりだァ⁈」
………は?
刺激って何だ?
不死川のやつ…何か勘違いしてんじゃねぇ?
「おい不死川。刺激ってどういう意味で言ってんの?」
「いやだからよォ、お前久しぶり過ぎて物足りねェからって人妻に手ェ出すのはダメだろォがァ!」
……ヒトヅマ……?
「……はぁあ⁈ばかやろ!んなわけあるか‼︎シングルマザーなんだよ!」
「マジか。そんならいいがよォ。いや、お前が遂に道を踏み外したのかと思って本気で心配しちまったぜェ」
いやだからどんな心配の仕方だよ…
つぅか俺はまだそんな遊び人に見えるのかと若干ガッカリする。
まぁ、不死川は昔の俺を知ってるわけで、長年擦り込まれた印象ってのは中々上書きは難しいだろうな。
紗夜にはそんな風に見えてませんようにと祈るばかりだ。