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君と紡ぐ恋物語【鬼滅の刃】

第6章 あなたの愛に包まれて*前編* 宇髄天元



「『なんて強い風だ』
 旅人は、着ていた上着が飛ばされないようにしっかり手でおさえます。……」


敷かれている絨毯の上で、宇髄さんは胡座をかいた膝の上に奏真を乗せて絵本を読んでくれていた。
奏真は静かにお利口さんで聞いている。

私もその隣に座って、一緒に聞かせてもらった。

宇髄さんの声って落ち着くなぁ。
少し低めで優しく読み聞かせる宇髄さんの声に心が安らぐ。

こうやって見てると、ほんとに親子みたい。

宇髄さん子供と遊ぶの上手だし、夜寝る前に絵本とか読んでくれそう。


宇髄さんが奏真のお父さんになってくれたらいいのに…


…は!私、何考えてるの⁈
付き合ってもないのにそんな…父親になって欲しいみたいな…
いけないいけない…!


「…ぃ、…おいっ」
「はい!」


とんでもない妄想をしていたせいか、呼ばれていたのに全然気が付かなかった。


「なーに一人で百面相やってんだよ」
「ママおかおへーん!」
「うそっやだ!」


そんな変な顔してた⁈恥ずかしい!


「奏真、そういう時はな、“面白い“って言うんだよ」
「おもしろい?」
「それはそれで嫌です…」
「ふはは!はいはい、可愛い可愛い」


そう言って宇髄さんは私の頭をポンポンと撫でる。

なんだかテキトーな可愛いだったけど、それでも宇髄さんに可愛いって言ってもらえただけで、私の胸は高鳴った。


「もう直ぐ終わるから、いい子で待ってろよ」

「…はい」


宇髄さんは私の返事を聞いてフッと笑うと、また絵本を読み始める。


撫でてもらった所が温かい。

ちょっと子供扱いされた気もするけど、それでもいいの。

好きな人に頭撫でてもらうのって、嬉しいから。





優しい穏やかな時間が過ぎていく。

宇髄さんの素敵な読み聞かせに、私も耳を傾けた。




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