第6章 あなたの愛に包まれて*前編* 宇髄天元
「怒られちゃいました」
「ちったぁ大目に見てくれてもよくねぇ?」
「図書館なのでそこは…、美術館もそうですし」
「そういやそうだなぁ、しょうがねぇ静かにしてやるか」
「てんげんおにいちゃんえほんよんで!」
「おういいぜ。好きなの選んできな」
奏真は嬉しそうにキッズコーナーの絵本を選びに行った。
「ああいうさ…子供が喜んでる顔って、いいよな」
嬉しそうに絵本を選ぶ奏真を、宇髄さんは愛おしむ様に見つめていて、やっぱり子供が好きな人なんだなぁって改めて思った。
「はい、癒されますね。
私ここ片付けておくので、絵本読んであげてください」
「ん、悪りぃな、任せるわ」
宇髄さんが集めた本を棚に戻していく。
さっき読めなかった『今昔物語集』を戻した隣に…
『今昔物語集〜現代語訳〜』
あるじゃん!
宇髄さんに後で教えてあげよ。
全ての本を戻し終えると、奏真と宇髄さんのいるキッズコーナーに向かった。