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君と紡ぐ恋物語【鬼滅の刃】

第6章 あなたの愛に包まれて*前編* 宇髄天元


「嫌なら無理強いはしねぇよ?」
「嫌とかでは…ただ申し訳ないかなぁと」
「嫌じゃねぇんだったらんな事気にすんな」

そう言うと、宇髄さんは私の頭をぽんと撫でた。

ぽんと乗せられた手から宇髄さんの温もりが伝わってきて、私の鼓動がとくんと跳ねる。

……って違う違う!
今隣に子供がいるっていうのにときめいている場合じゃないんだってば!

慌てて私は首をぶんぶんと横に振った。
そんな私を見て宇髄さんは「お前どーしたよ」と首を傾げた。

「どうして…」
「なに?」
「どうしてそんなに、よくしてくれるんですか?」
「理由、ねぇ…」

宇髄さんは少し考えてから、ニッと笑った。

「俺がそうしたいと思ったんだよ。
 それじゃダメか?」


 そう聞いてきた宇髄さんの笑顔は、私の遠慮や申し訳なさみたいなものを丸ごと吹き飛ばしてくれるくらい爽やかで…

宇髄さんがそうしたいって言ってくれるなら、少しくらい甘えてもいいのかな…

そう思わせてくれる程、優しかった。


「ダメじゃ、ないです」
「おし!んじゃ、今日一日よろしく頼むわ」
「ふふ、はい。お願いします」

「なんのおはなししてるのー?」

少々置いてけぼりを食らっていた奏真が、私と宇髄さんを見上げて首を傾げていた。


「奏真、派手に喜べ!今日一日俺がお前と遊んでやる!」
「ほんと?やったぁ!あそぶー!てんげんおにいちゃん、サッカーできる?」

ボールを持つ奏真の瞳はキラキラと輝いている。

「ママがけるとね、ボールがどっかいっちゃうんだよ」
「下手くそか!」
「すいません…」

奏真に悪気はないし、事実なんだけど、改めて言われると若干凹むなぁ。
今度練習しようかな、こっそりと。


「ま、その下手っぴさんのおかげで今こうしていられんだ。感謝しねぇとな」

私のおかげ?
宇髄さんがそう言ってくれて、なんだかとっても嬉しかった。




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