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君と紡ぐ恋物語【鬼滅の刃】

第6章 あなたの愛に包まれて*前編* 宇髄天元


「なぁ、1つ聞きてぇんだけど」
「はい、なんでしょう?」
「旦那がいねぇのは分かったけどよ、彼氏は?いんの?」
「え⁈彼氏ですか⁈」

なんで宇髄さんはそんな事を気にするんだろう。
首を傾げて考えたけれど、分からなかった。

「全然、いませんよ」
「ふーん、あそぉ」

聞いた割には随分素っ気ない返事だった。
けれど、チラッと宇髄さんの顔を見たら、心なしか嬉しそうにしていて…


『琴葉さんに気があるのでしょうか』


ふと昨日のしのぶさんが言った言葉を思い出す。

よく考えたら昨日初めて話して、よく知りもしないのにいきなり「彼氏いる?」なんて聞かないよね、普通。

………宇髄さん、ほんとに?

………いや、まさか……ねぇ。

でも、やっぱり少し期待してしまう自分がいて…
だって宇髄さん凄くかっこいいんだもん…

気を緩めたら顔がニヤけてしまいそうだなって思って、バレないように頬っぺたを両手で隠しながら頑張って堪えた。



「この後なんか予定あんの?」
「ここで遊んでから、あそこの図書館に行こうかと。その後は特に予定は無いですよ」
「としょかんいってねー、“しばかり“しらべるんだよー」
「随分地味だなおい…」


宇髄さんは顎に手を掛け何か考えている。
これは待った方がいいのかな?

すると宇髄さんは何か思い付いたのか「よし!」と言ってスッと立ち上がった。
とっても背の高い宇髄さんを、私と奏真は見上げた。


「今日一日この俺宇髄様がお前らに付き合ってやる!」

・・・・・へ?

何を言い出すのかこの人は。


ちょっと待って!と私は慌てて宇髄さんの申し出を断った。

「宇髄さん、そんな…悪いです!」
「何がよ?」
「こんな…見ず知らずの親子に宇髄さんの貴重なお時間を使わせてしまうのは忍びないです!」
「はぁ?おいおい!こんな喋りまくっといて今更見ず知らずはねぇだろ!」
「じ、じゃぁ…他人?」
「ま、他人には違いねぇがなぁ…」

どうしても断ろうとする私に、宇髄さんは頭を掻きながら盛大なため息を吐いた。

そんな、ため息吐かなくても……




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