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君と紡ぐ恋物語【鬼滅の刃】

第6章 あなたの愛に包まれて*前編* 宇髄天元







今日は土曜日。
奏真と約束していた図書館に行く日だ。
その前にサッカーがしたいと言うので、サッカーボールを持って、図書館近くの芝生広場に来ている。

ここはとっても広くて、バトミントンをしてみたり、フリスビーを飛ばしたり、皆思い思いに遊んでいる。
中にはシートを広げピクニックをする親子もいた。

広場の端にはアスレチックコーナーも作られていて、奏真はここでもよく遊んでいる。



「ママいくよー」

奏真は最近買ったお気に入りの青いボールを私に向かって思いっきり蹴った。

「よぉーし、えいっ!……あれ?」

ースカッ

蹴ったつもりだったのに、ボールは私の足に掠りもせず、コロコロと虚しく後方へ転がっていった。

「ママー!」
「ごめーん、取ってくるねー!」

いそいそと転がったボールを追いかけ、また元の位置に戻る。

「行くよー!」
「うん!」

「おりゃぁっ!」

今度は私から奏真へボールをパスした。

……はずだったのに……

「ママー‼︎」
「うわーん!ごめーん!」

奏真に向かって蹴ったつもりが、何故かボールは明後日の方向へ転がっていった。

「ぼくとってくるー!」

奏真が転がっていったボールを追いかけていく。

ごめんね奏真。
実はママ……ボール遊び苦手なんだ。

心の中で謝りながら、私もボールを追いかける奏真の後を追った。



ボールはコロコロと転がっていき、やがて広場の端までたどり着く。

そこにいくつか置かれているベンチで一人、さっきからずっと絵を描いている男性がいた。

ボールは速度を落としながらその人に向かってゆっくりと転がっていき……

最後にトン…と、その人の右足に当たって止まった。


「ん?」



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