第2章 新生活
「…凄い人だねぃ、、、」
『まぁ、土曜日ですしね…』
ガヤガヤとした喧騒の中、家族連れや若者で賑わうフードコート。
隣のゲームセンターの音も相まって、かなりうるさい。
幸いにも2人席はぽつぽつと空いていて、席を取るのは苦労しなさそうだ。
『あ、あの席座りましょう。』
「あぁ。」
少し外れた静か目なところの席を取り、荷物を置くように言う。
身軽になったマルコさんを連れてひとつひとつお店を説明していこうとした。
「さくら先に行ってこいよい。
俺も同じものでいいから。」
マルコさんは席で待つと言い始めた。
疲れたのかな?
『荷物全部持たせてしまったから疲れさせてしまいましたか?』
「いや、、、荷物、取られたら危ねぇよい。
俺はここで見てるよい。」
荷物の心配をしてくれているようだ。
『大丈夫ですよ。
貴重品は持っていかないと危ないですけど、商品とかハンカチとか、その程度なら取る人はいません。
ほら、』
そう言って周りのテーブルを指差す。
どのテーブルも場所取りとしてみんな何かを置いて買いに行っている。
「…俺の世界じゃ信じられねぇよい。」
『確かに、ここでも外国ではありえない風景だと言われています。
ですが日本では割と普通で、こんなところで盗みをする人はほとんどいないんですよ。』
「こんなに治安がいい国は見たことねぇよい。」
マルコさんは本当に驚いたような顔をして周りを見回していた。
マルコさんのところではいくら平和な国でも、こういう人が多いところにはスリは幾らでもいるらしい。
『それはお褒めの言葉と受け取っておきます。
ですから、行きましょう!』
私はまだ少し疑っているマルコさんを少し強引に引っ張ってお店を回って行った。