第2章 新生活
『あ…じゃあ私隣の売り場にいるので!』
「あぁ…悪いよい。」
流石に下着売り場までは着いていかない。
これは遠目に見るのもどうかと思い、ひとつ棚を挟んだところでぶらぶらしていた。
あ、これかわいいな…
「〜〜〜」
「あ…や、、、、、」
?
なんだかマルコさんの声が聞こえた気がして、チラリと売り場を覗いた。
そこにはにこやかなお店の人に話しかけられて右往左往しているマルコさんの姿。
まるで初めて店員さんに話しかけられる子供のようで、少し笑いながら近づく。
「さくら…」
『すみません、彼は外国帰りでまだこちらに不慣れなんです。
お話は私が伺ってもよろしいですか?』
私は店員さんとマルコさんの横に立つようにしてそう言う。
店員さんはマルコさんがあまりに背が高いから、サイズの在庫を確認してこようかという提案をしてくれていたようだ。
今はまだ選んでいる途中のようだし、めぼしい物を見つけてここに無ければお願いする旨を伝えると、店員さんは綺麗なお辞儀をして帰っていった。
「…ずっと着いてくるから焦ったよい、、、」
『ふふ、この国では店員さんが丁寧なんです。』
マルコさんのいたところでは店員さんは呼ばないと来ないらしい。
確かに、買い物は店員さんと話しながらの方が好きな人と1人でゆっくり選びたい人と分かれるよね。
『選べました?』
「あぁ。
…だが、、、こんなにいいのかよい?」
『大丈夫です。
全部必需品ですし。』
「いや、だが、、、金かかるだろうよい。」
『お金の心配はいりません。
私こう見えて少しお金持ちなんです。』
そう言うが早いか、カゴ二つ分のカートを押しながらレジに向かう。
マルコさんは少し驚いた顔をしてから後ろをついてきた。